[2012_04_17_01]インドネシア沖でM8.6 スマトラ1メートル超津波 日本に影響なし 津波小さい「横ずれ」型(東奥日報2012年4月17日)
 【ジャカルタ共同】米地質調査所(USGS)によると、インドネシア・スマトラ島沖で日本時間11日午後5時30分ごろ、マグニチュード(M)8・6の大きな地震があった。日本の気象庁に入った連絡によると、2時間後にはM8・2の余震が起きた。スマトラ島北部で1・1メートルの津波を観測。

 タイ南部でも10センチの津波を観測したが、米ハワイの太平洋津波警報センターによると、津波警報は日本時間の11日夜までに全て解除された。
 インドネシア災害対策局の担当者はスマトラ島沖のシムル島で4人が軽傷を負ったと明らかにした。マレ一シアやインド、スリランカも津波対策を取った。タイのプーケット国際空港は閉鎖された。
 気象庁によると、日本への津波の影響はない。多くの犠牲者が出た2004年のスマトラ島沖地震と違い、今回は断層が様にずれる「横ずれ断層型」で、大津波が起こりにくいタイプの地震とみられる。
 USGSによると、震源はスマトラ島北西部アチェ州の州都バンダアチェの南西434キロ、震源の深さは22・9キロ。
 アチェ州では、刑務所の敷地を囲む壁が崩れた。バンダアチェの中央病院によると、負傷者は運ばれていない。
 スマトラ島の在メダン日本総領事館によると、雑居ビル5階の同館では横揺れが5分間ほど続いた。周辺の建物に被害はないという。スマトラ島には日本人数十人がおり、安否を確認している。
 シムル島のホテル従業員は電話取材に「一部の宿泊者はパニックを起こして逃げたが、建物に損傷はない」と話した。
 インドネシア・スマトラ島沖で11日発生したマグニチュード(M)8級の地震について、専門家は断層が横にずれる「横ずれ断層型」で、大津波が起こりにくいタイプだと指摘している。
 また2004年12月にほぼ同じ場所で起きたM9・1のスマトラ沖地震に誘発された可能性があるとしている。
 東京大地震研究所の佐竹健治教授によると、今回の震源はユーラシアプレートの下に沈み込むインド・オーストラリアプレート内にある。
 東日本大震災の地震は押し合う力で断層が上下にずれる「逆断層型」で、海水が上下に揺さぶられて大きな津波につながった。04年のスマトラ沖地震も逆断層型で、大きな津波被害が出た。だが今回は横ずれで、規模のわりに津波が小さいのはこのためだという。
 佐竹教授は「余震もあるだろうが、数メートルを超える津波はないのではないか」と話している。
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