【記事47840】阿蘇山噴火「熊本地震の影響」指摘も 火口下でマグマ膨張(西日本新聞2016年10月8日)
 
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阿蘇山噴火「熊本地震の影響」指摘も 火口下でマグマ膨張

10月8日(土)12時34分配信

 8日に熊本県・阿蘇山の中岳第1火口で発生した爆発的噴火は、マグマの熱が地下水に伝わって起こる「水蒸気噴火」か「マグマ水蒸気噴火」との見方が強い。熊本地震との関連を指摘する専門家もいる。

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 気象庁によると、火口下の浅い部分でマグマが膨張し、噴火につながったと考えられるという。爆発的噴火だったことから、マグマの熱が伝わり、地下水が沸騰して爆発する「水蒸気噴火」の可能性があるという。58人が死亡した2014年の御嶽(おんたけ)山(長野、岐阜各県)はこれに当たる。昨年9月14日にあった中岳第1火口の噴火と同じく、マグマが直接地下水に接触し沸騰、新鮮なマグマの成分が噴出する「マグマ水蒸気噴火」の可能性もある。
 京大火山研究センターの大倉敬宏教授は「最近、ガスの噴出量が多く、圧力も急激に上昇していたのに加え、火口に比較的多い湯だまりがある状態であったのが爆発の原因になったのではないか」と分析。「火山灰などの噴出量は昨年9月の噴火より桁違いに大きい」という。
 気象庁は、4月に発生した熊本地震との関係は不明としているが、鹿児島大の井村隆介准教授(火山地質学)は「地震の影響で、ガスの圧力が高まった可能性がある」。火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣東大名誉教授(マグマ学)は「地震の影響は証明できないが、地震によってマグマだまりが絞られて浅い所まで上がってきたことなども考えられる」としている。

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