【記事77390】伊豆半島がくっついたのはわずか数10万年前(「大噴火が少なすぎる近年の日本」講演資料#35)(島村英紀2018年11月24日)
 
【島村】伊豆半島がユーラシアプレートとぶつかったことで、富士山の下にマグマが形成され、箱根と富士山の噴火をもたらした。こういったことから、箱根と富士山は兄弟と言えるのではないかと思います。これが今の航空写真ですが、点線部が伊豆半島と日本列島の境です。元の東海道線の跡でもあります。これが昔の日本列島の海岸線となりますので、比較的、平らで広い所です。国道、東名高速道路、御殿場線と道を通しやすい場所となっています。
【補足】
・伊豆半島まるごとミュージアムのパンフレットに「伊豆半島ができるまで」がある。当会(地震がよくわかる会)のHPにその図の部分を抜粋した記事がある。以下にパンフレットの一部内容を抜粋する。
「伊豆半島の成り立ち 〜地球上の特異点〜
 伊豆半島の歴史は、約2000万年前にさかのぼります。
 当時の伊豆は、本州からはるか南のかなた数百km先の太平洋の海底に沈む火山群でした。その後、フィリピン海プレートの北上の動きに合わせて、日本の本州に接近、衝突。現在の半島の形になりました。約60万年前のできごとです。
 衝突後、20万年前までは、半島上のあちらこちらで噴火が続きます。天城山や達磨山といった伊豆の大型火山が誕生し、現在の伊豆半島の骨格を形作りました。
 これらの大型火山の活動が終わると、日本には数少ない単成火山群の活動がはじまります。大室山に代表される「伊豆東部火山群」の誕生です。また、フィリピン海プレートの動きは、現在も伊豆半島を本州に押し込み続けていて、緩やか地殻変動が、伊豆の大地の多様性を今なお育み続けています。
 こうした二重三重の地質学的特異性が伊豆半島を形成しており、伊豆半島は世界のどこを探しても例をみない、地球上の特異点ともいえる場所になっているのです。」
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