【記事09102】東京全市に亙り数十カ所に火災起り 炎々として天を焦す(大阪朝日新聞 号外1923年9月2日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

○東京全市に亙り数十カ所に火災起り 炎々として天を焦す 浅草凌雲閣倒壊死者多し
 【東京発、長野、松本経由、名古屋着電】一日の地震による東京市内における被害は実に甚しく浅草十二階の大建物が第一に大音響とともに倒壊しその下になった数十戸の家屋は全部めちゃめちゃに倒壊し死傷者も多数で惨状目も当てられずその結果遂に火災を起こし午後零時半頃早くも五六カ所に飛火し、猛火炎々として燃え広がり午後十時頃群馬県高崎市から真紅の如く彩られた炎の空が眺められた
○火は宮城に迫る 消防の水断絶し 両師団出動も甲斐なし
○宮城にも遂に延焼か 船橋無電よりの通信
○火は遂に全市をナメん 至る所に阿鼻叫喚
○横浜市は死滅の惨状 市民は争うて船に避難す
○横浜全市火の海と化す 死傷何万あるやも知れず 本社への救助の電報
箱根温泉も全滅した 列車隧道内に埋没す
○伊豆の伊東下田間に大海嘯起り 五六百戸流失す
○人皆な地面を這う 軌条は宙に浮き水は濁る
○大宮鉄道工場の圧死
○利根川大鉄橋傾斜す
○東北本線の惨害
○信州上田の家潰れ 繭糸工場の損害多し
○甲府市も殆ど全滅

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