【記事78850】インドネシア津波 噴火が原因 日本でも(東京新聞2018年12月24日)
 
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インドネシア津波 噴火が原因 日本でも

 インドネシア・スンダ海峡で起きた津波は地震ではなく、火山噴火が原因とみられている。海峡には一八八三年に大噴火に伴う大津波を起こしたクラカタウ火山があり、今回も津波との関係が疑われている。似た事例は日本でも起きており、警戒が必要だ。
 火山噴火予知連絡会の石原和弘会長(京都大名誉教授)によると、クラカタウは六月以降、噴火を繰り返していた。「噴きだした大量の岩石などが海に流れ込み、津波が起きた可能性がある。確かなデータはまだないが、否定できない」
 地震で海底が大きくずれて津波が起きる例は多いが、地震を伴わない津波もみられる。海のそばや海底の火山の噴火でも津波は発生してきた。
 国内では北海道駒ケ岳(一六四〇年)、渡島大島(おしまおおしま)(一七四一年)、桜島(一七八〇〜八一年)などの例が知られている。気象庁によると、渡島大島は噴火で山が大きく崩れて大津波が起き、対岸の北海道など日本海沿岸に大きな被害を及ぼした。
 今回の津波データを分析した東北大の今村文彦教授(津波工学)は「津波の起きた範囲は限定的で、(データから)火山噴火や地滑りが原因とみられる」と指摘。ジャワ島西部には高さ二メートル程度の津波が到達し「陸地に大きな被害を与えた可能性がある」という。
 今村教授は「日本でも火山に伴う津波被害には注意が必要だ」と呼び掛けている。

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